2015/05/09

中世テーマパーク「Puy du Fou」に行ってきた

ネトゲ世界がリアルに広がる、中世テーマパークがフランスにあると聞いて行ってきた。
フランス語がほぼわからないため下調べが難しく、行かないとわからないことが多かったので、同じような人のためにわかったことをまとめておく。

◆Puy du Fouとは
広大な森の中に欧州中世風の石造り集落・城・牧場・庭園・池・草原などが作り込まれ、各地で行われるショーを見て回るテーマパーク。1~3月、10月は休業。

Google map
http://www.puydufou.com/en?season=summer (公式サイト)
https://www.youtube.com/user/puydufou (Youtubeの公式チャンネル)




◆交通
フランス国鉄SNCFの駅「Angers Saint-Laud」から9:45、14:15、20:45に公式送迎車が出る(2015年5月12日時点。ほかの交通機関を予約する前に 公式ページ で最新情報を確認)。
出発地から「Angers Saint-Laud」へのルートは「Rome2rio」で検索。
列車のダイヤは「Bahn.de」で調べて、「SNCF」で予約。

http://www.rome2rio.com/s/Gare-de-Paris-Montparnasse/Gare-d-Angers-Saint-Laud
(Rome2rio。Fromの部分を出発地に変える。「Gare d'~」は「~駅」の意味)
http://www.bahn.de/p_en/view/index.shtml (Bahn.de。ドイツ鉄道のサイトだが他国も対応)
http://en.voyages-sncf.com/en/ (SNCF)

↓「bahn.de」の利用例。情報量が多いので、いきなり「SNCF」で調べるより複数の列車を比較しやすい。全停車駅の情報は乗り過ごしが心配な時に役立つ。



↓「SNCF」の高速列車、TGVの座席選択。運賃は日時により異なる。「TGV LEISURE」は列車の変更や払い戻し条件が厳しい代わりに安い。上2つは2ndクラスで下は1stクラス。自分が乗った列車では、2nd車両が2列+2列構成、1st車両が2列+1列構成だった。席をピンポイントで選ぶことはできないが、「Travel Facing forwards」(進行方向を向く席)、「Solo window alone」(窓際の一人がけ席)など条件を指定できる。

memo:列車の予約は「rail europe」だと日本語が使える代わり、手数料を取られて座席指定に制限があるらしいという情報があったので使わなかった。実情は不明。Bahn.deの検索結果にはやや遠くの駅に行って乗り換えるものもあるので、停車駅を確認し、不安がある場合は事前にGoogle mapで駅間の移動ルートを確認したり、乗り換えのないものを選ぶようにする。自分は直通TGVを選び、日本でEチケットをプリントしていった。現地で買う切符と異なり黄色のタイムカードのような機械で使用開始の刻印をする必要はなく、改札がないので直接列車に乗り、検札の時に身分証のパスポートと一緒にEチケットを提示した。SNCFにはAndroid用アプリもあるが、日本語環境のせいか駅名入力の時点で失敗してアプリ経由でのチケット予約はできなかった。ブラウザで予約したあと、その情報をアプリに入れてモバイルチケットを表示することはできた。

◆ホテルと入園券を予約

送迎車の最終時間以後のショーがあるのと、公式ホテル以外は車がいる距離なので、以下は主なショーを見て公式ホテルに泊まるものとして説明。ウェブページを英語にしても予約画面はフランス語だが、urnのfrをenに変えると部分的に英語化できる。
http://reservation.puydufou.com/en/Vente/Accueil/1232157310310200460 (英語化した予約画面)


↓宿泊付き予約を選び、チケットを3種から選択。左端は4~9月の入園券、中央は6~9月の特定日に行うショーCinescenie鑑賞券付き入園券、右端は11~12月の入園券。Cinescenieはカレンダー(http://www.puydufou.com/en/practical-guide/calendar?season=summer)の青い日のみ行われる。
memo:Cinescenieはオリンピックの開会式のような大人数かつ、花火をバンバン使って長時間行うショー。人気が高く、2015年4月時点で青い日の公式ホテルはほぼ満室だった。その時点でチケットはまだあったので、車が使えるなら宿泊は外部にするという選択もある。11~12月の営業予定はカレンダーに出ていないが、右端を選んで予約手続きを進めると表示される。

↓日程と人数を選択。 Nuit=宿泊日数、Jours=入場券の日数。ホテルはパーク外にあるので、1泊1日・2泊2日など現地にいるけどパークに入らない日のあるプランも選択可能。人数は大人と年齢層別の子供。


↓宿泊日を選択。左右の<>で月を変更。斜線/は選択できない。
memo:色の意味はカレンダー(http://www.puydufou.com/en/practical-guide/calendar?season=summer)参照。ざっくり言うと、白…パークが休業だけど泊まれる、黄色…夜のショーなし、緑…簡易版の夜のショーがある、青…豪華版の夜のショーCinescenieがある。

↓優待券「Emotion Pass」の有無を決める。1日分10ユーロ。人気のショーを眺めのいい席から見られる「reserved」区画を利用できたり、買い物が割引されたりする。販売数が限られていて、売り切れだと「unabailable」と出てチェックできない。チェックボックスの文字は、フランス語の曜日・日・月の順。
memo:自分が行ったのは日本のゴールデンウィーク時期の日曜日。フランス的には閑散期なのか、reserved区画と変わらない眺めのいい席が空いていたので必要性を感じなかった。

↓ホテルを選択。パークに隣接する公式ホテルは「Les Hôtels du Puy du Fou」の項目にある。満室のホテルは表示されないので、場合によってはすべて満室で何も表示されない日もある。各施設については紹介ページ(http://www.puydufou.com/en/hotels?season=summer)参照。
memo:行きたいホテルが出てこない場合、時間をおいて予約しなおすと表示されることがある。とはいえ、粘りすぎるとホテル全滅のおそれも。特にこだわりがなければ、La Villa Gallo-Romaineがパーク入り口から近くて便利。ほかは5~10分くらいの距離にあり、最後のショーが終わってから森の中の暗い道を歩くのはパーク敷地内とはいえスタッフもおらずやや不気味だった。Les Iles de Clovisは正面に送迎車の乗車場所があり、荷物が多い人には便利。自分が泊まったLe Camp du Drap d'Orは2014年にできたばかりで、部屋全体に新築らしい清潔感があった。

↓昼食「Déjeuner」と夕食「Dîner」の予約。必ずしも予約する必要はない。予約する場合は日付の下にある「Déjeuner」か「Dîner」を選び、レストラン・時間・人数を指定。ホテルと同じく空きのある店しか表示されず、ショー付きの「The Relais de Poste」と「The Halle Renaissance」は開催されない日もあるためレア。

memo:昼食はテイクアウト店も多く特に困らないが、夕食の時間はテイクアウト店も次々と閉まり、通りすがりのレストランに入ろうとしても満席だったり、予約客に合わせて夕食の開始時間が決まっていたりするので、食いっぱぐれを防ぐには事前に予約した方がいい。当日、ホテルの受付から予約することもできる。人気のショー付きレストランも当日の状況次第ではホテルから予約できるので、興味があれば聞いてみる価値はある。ホテルの受付は、自分が行った時はスタッフ2人でどちらも英語が通じた。朝食は宿泊するホテル内で無料。

↓オーディオガイド機器の予約。ショーのセリフはすべてフランス語で、オーディオガイドでは英語版など複数言語を提供(ただし日本語はない)。1人で使うなら上を選ぶ。下は1つの装置に2つのヘッドフォンをつなぐ場合と思われるが、確かめたわけでない(本体にヘッドフォンコネクタが2つ付いていたことから推測。その場合、個別の音量調整はたぶんできない)。

memo:周りに響くフランス語のセリフやBGMがかなり大きいので、オーディオガイドの音は聞き取りづらいことがある。また、一部のショーではラジオのようなノイズが交じって耳障りなことがあった。ショーの音響は非常に良く、へッドフォンで耳をふさぐのがもったいないと感じることも多かったので、必死に英語を聞き取って半分くらいわかるという自分程度の語学力だとオーディオガイドを使わない方がショーに集中できてよかった。借りて1日目は使ったものの、2日目はほとんど使わなかった。

↓ここで送迎車を予約するとメールで予約内容を書いたPDFが来るので、送迎車のドライバーにそれを見せると乗車できる仕組み。5歳以上、未満で人数を指定。時間はanger駅の出発時間と、Puy du Fouの出発時間をそれぞれ指定。予約人数がゼロだと車はこないので、確実に予約しておく。以降、Book discovery workshops=パーク内の体験イベント予約、Ma p'tite Balise=託児所の予約、Kennels=犬のペットホテル予約などもあるが、使わなかったので詳細不明。次に自分の連絡先などを入力すると、確認画面になる。


↓チケットの受け取り方法を「Tickets to print at home」にすると、前の画面で登録したメールアドレスにPDFで各種チケットが送られてくる。一部手作業なのかビジーなのか、支払い後も送られてくるまでやや時間がかかった。「cancellation insurance」は、中止になった場合・もしくは自己都合キャンセル時の払い戻し保証なのだと思うが、利用しなかったので不明。「I accept~」をチェックして次に進むと、支払い画面になる。


↓支払いはCB(フランスのカード)、マスターカード、VISA、アメックスに対応。


↓支払い終わると、しばらくしてPDFが添付されたメールが送られてくる。予約した項目により異なるが、自分の場合は以下の通り。

支払い明細。予約している=前払いで現地で重複請求されることはまずないと思うが、念のため現地に持っていった。

行き帰りを兼ねた送迎車のチケット。

ホテルのチケット。チェックイン時に出すほか、送迎車のドライバーに見せてホテルの前まで連れて行ってもらうなど。

パークのチケット2日分。パークの入り口のスタッフに見せてハンディスキャナーでバーコードを読み取ってもらえば中に入れる。夕方ころ行ったら「今日1回目?」などと聞かれた(フランス語で話してくるが、英語も通じた)。おそらく、ディズニーランドのように再入園の仕組みがあるのだと思うが詳細不明。

オーディオガイドのチケット。園内のインフォメーションでこれを渡せばオーディオガイド本体+イヤフォンをくれる。


◆持ち物
雨具:雨でもショーは行われる。雨の中で自分が一日中耐えられる装備を用意。自分はゴアテックス靴+レインウェア上下+折りたたみ傘で過ごしたが、現地人はポンチョのみが主流だった。
日差し対策:日を遮るものが何もない場所が多いので、日焼け止めや帽子など。
靴:長時間歩けて、泥汚れがついても構わないもの。道が舗装されてないので、雨が降るとぬかるむ。
クッションになるもの:厚手の上着とかでもいいのであった方がいい。「le signe du triomphe」の平らな石のベンチは座った瞬間尻が痛くなった。
お金:どこでもカードが使えるので現金はあまり必要ないが、ホテルチェックアウト後に受付に荷物を預けた時の代金(6ユーロくらい)はカード決済できなかった。金額が低すぎるとカードが使えないことがありそうなので、飲み物や軽食代として数十ユーロ程度は現金で持っておいた方がよさそう。自分のカードが使えるかわからないので過信は禁物だが、園内にはATMもある。ちなみに、自分が主に使ったのはあおぞら銀行のビザデビットカード。信用チェックなしで簡単に作れる。

◆送迎車
行きは「Angers Saint-Laud」駅から出て、左にあるバス乗り場で番号「A」の場所。帰りはホテル「Les Iles de Clovis」の道を挟んで向かい側に交通標識のような青い看板があり、送迎車(Navette)の待機場所であるらしきことが書いてあるのでそこで待つ。送迎車はPuy du Fouのロゴ付き車ですぐわかるので、チケットを見せて乗せてもらう。公式ページでは1時間半とあるが、早ければ1時間くらいで着く。ドライバーは英語が少し話せる人と、全く話せない人がいた。下は駅の外にある案内図。

◆ホテル(「Le Camp du Drap d'Or」の場合)
チェックイン:16:00から。30分早い程度なら待たなくてもチェックインして部屋を使える可能性あり。英語で対応してもらえる。チェックイン時は旅行者税?的なものを払い、朝食(無料)の時間帯を8:00・8:30・9:00から選んで朝食のチケットをもらう。朝食のレストランは受付から奥にすすむとすぐ右側に入り口がある。ほかのホテルでも受付近くに朝食のレストランがある模様。朝食時はレストランの入り口で朝食チケットを渡して部屋番号を伝える。鍵はワイヤレスのカードキー。受付のカウンターにその日のショーのスケジュールなどを印刷したパンフレットが置いてあるのでもらっておく。その日のショーがすべて終わるころには翌日分が配置されるので、部屋に戻る前に受付に寄ってもらっておく(パーク内のインフォメーションには翌日分がない)。
チェックアウト:11:00まで。チェックアウト時に追加料金はなかった。部屋の設備的に、追加料金が発生しそうなのは電話くらいだと思われる。
荷物預かり:受付で前金(6ユーロくらい)で荷物を預かってもらえる。預かり票などはなく、受け取る時は荷物を預けたことと、名前を伝える。自分がチェックアウト後に利用した時、「荷物があるのは部屋か?受付か?」と聞かれたので、部屋数に余裕があれば荷物を部屋に残しておくこともできたようだ。
設備:閉園後にホテルやその周辺で飲食物を買える場所は全くなかったので、必要に応じておやつや飲み物は持ち込んだ方がいい。部屋の設備は大小タオル・バスマット・髪も洗えるボディジェル・ドライヤー。コンセントはSEタイプ。部屋の入り口近くにカードキーを差し込む場所があって、入れると電気類が使える。
その他:すべてのショーが終わってから帰ると周りはかなり暗いのと、遠いホテルだと道の分岐があるので、自分の部屋(「Le Camp du Drap d'Or」や「Les Iles de Clovis」はキャンプ場のような敷地に建物が点在していてさらに複雑)からパーク入り口までのルートを明るいうちに把握しておく。

◆オーディオガイド
借りるのも返すのも、不具合時の交換(電池切れなど)も、園内のインフォメーションで。スタッフに「ボンジュール。イングリッシュOK?」などと英語を使うアピールをしてオーディオガイドのチケットを差し出せば、その後の使い方の説明も、オーディオガイドの初期設定も英語にしてくれる。複数日にまたがって使う場合は、帰りの日まで持っていていい。

◆買い物
通常のショーを見てまわり、最後のショー(22:00ころ開始)までの空き時間に買い物や軽い食事を…などと考えていると土産物屋が閉店してしまい、気軽に入れる飲食店すらない状況になるので注意。園内の動物を見て回るなど活動することは可能だが、周囲は真っ暗な森でどこまで進んでも人に出会わず、悲しげなBGMが響くなど不気味感があるので、素直にどこかで夕食を取るほうがいい。自分は夕食を予約せず、暗闇をさまよってから最後のショーが始まる前に近くのテイクアウト店でコーヒーを飲み、その店ですらショーの30分くらい前には閉店してしまい、暗闇の中でちょっと後悔した。
土産物が豊富なのはインフォメーション近くのLe bourg 1990。子供用の騎士衣装やリアルな雰囲気の武器防具、紋章入りグッズなどいかにも中世テーマパークらしいもののほか、ホテルの壁紙と同じ柄の小物や、過去のイベントのDVD、ショーごとの絵がついた雑貨やアパレルなど、Puy du Fou自体のグッズも豊富にそろっている。中世の町を模したLe village XVIIIやLe fort de l'an milでは、職人がその場で作った工芸品なども買うことができる。

◆ショー
自分が行ったのは5月の日曜日で、大掛かりなショー(ガイドブックの1~5)は開始の30分くらい前から人が集まりはじめ、10分くらい前には見やすい席がほぼ埋まっている状態だった。Cinescenieがある時期などはおそらく混むので、早めに行動した方がよさそう。スケジュールはガイドブック左上の表で確認。上の文字は曜日・日・月・年の順。マップの右下は翌日のスケジュールなので、間違わないように注意。

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